ルーブル美術館での展示

コロナ禍に於いて昨年から水彩画を始めたことは以前投稿した。その時の処女作は「幼児の初めてのお絵描き」のようであったが、今もモチベーションを保ちつつ画伯を目指し描き続けている。
本投稿では、この6ヶ月である程度の作品が揃って来たので、処女作以来の2回目の個展を開催する。

個展開催への経緯

現在、師匠(柴崎春通氏)のYouTube動画を視聴しながら、基礎編相当の透明水彩画を空いた時間を利用して描いている。前回投稿した時は月4枚を目標にしていたが、この6ヶ月の実績を見ると月2枚強しか描いておらず、思っていた程時間が取れていない。

私としては、水彩画の基礎を早くマスターし、風景画を描きたいと思っている。しかし、まだ描いていない基礎編相当の動画がいくつアップされているかザーと調べてみとところ85動画はあり、基礎編相当の水彩画を描き終えるのは、2年以上先になることが分かった。しかも、師匠は現在も新規動画をアップしているので、もしかしたら永遠に基礎編から抜け出せない状況なのかもしれない。
そうなると、風景画を描けるレベルに到達する前にモチベーションが無くなる恐れがあり、かと言って基礎をマスターしていない状況で慌てて風景画を描き始めても挫折するのが目に見えている。そこで、モチベーションを維持するために基礎をマスターしてない状況でも、描いた作品を公開して行くことにした。ちょうど基礎編の中の「果物・野菜」が描き終わり区切りが良いことから、今回の個展開催に至った。
なお、師匠が言うには、「初心者の勉強の段階では、難しい花などを描かず、身近でシンプルで、かつ色が分かり易い果物が良い」とのこと。従って、私はたまたま描きやすそうな野菜・果物を選んだが正解であった。

備忘録

動画の師匠がいるものの、実際に水彩画を描いていると、描いた各水彩画に対してプロのアドバイスを受けたいと思ったり、質問したいことが色々湧いてくる。しかし、それは叶わないので問題点・学んだ技法及び自己評価を書き留め、備忘録として今後の作品の制作に活かして行くことにする。

全体

個々の水彩画を評価する前に、全体を通して見えてきた問題点と学んだ技法について述べる。

問題点

水彩画を描く上で大きな壁が見えているので、そのことについて述べておく。
表現したい色を出せない
現状は動画を視聴しながら描いているので、師匠が混ぜている絵の具を元にして色を出しているが、それがなければ何色と何色を混ぜれば何色になるか全く理解していない。なので、描いている時に、微妙な色を作りたいと思うことが良くあるが、上手くいかず。
また、今は動画を視聴しながら描いているので、それなりに描けているが、動画が無ければ何色を使ってどのように描けば良いのか、いまだに良く分からず。
光沢のある質感が出せない
    師匠の水彩画と見比べると、光沢のある質感が出せていないことが良く分かる。その原因として次のことがあると思っている。
  • 師匠の描き方を見ていると、同じ個所を何度も塗り重ねず描いているが、私は自分の思う感じにならなく何度も塗り重ねる傾向がある。
  • 根本的に、筆に付ける水分の含んだ絵の具の量が違うのかなぁと思い始めている。私は筆にたっぷり絵の具を付けて描くのは、未完の処女作のトラウマもあり怖く、また現状の私のレベルでは非常に難しいと感じている。師匠との差は、紙上で暴れる(滲み出たり流れ出たりする)絵の具に対し、私は全くコントロールできないが、師匠はコントロールできている※1からだと思う。この差は非常に大きく、私に取ってとてつもない大きな壁である(画伯への道は険しいことを痛感している)。
これらの問題は、一旦動画の水彩画を描くことを止め、紙に色を塗る練習をする方法もあるだろうが、そうすると益々水彩画を描くペースが遅くなるので、水彩画を描く中で試行錯誤しながら徐々にマスターしていければと思っている。

師匠が描く風景画のある動画を視聴したことがある。紙上で暴れ出す絵の具の量は、私の未完の処女作の比ではなく、描いている途中では私の幼児レベル作品より劣る結果になると思えるものであったが、完成してみると不思議なことにカッコ良い絵画になっていた。暴れる絵の具について、私は制御不能であるが、師匠は自身の意思に反して暴れているように見えて、制御下で暴れさせていたことが良く分かった。

学んだ技法

超初心者がレベルアップするために不可欠と思われる次の技法を学んだ。
光による色分け
光が当たる方向を踏まえ、「ハイライト」、「強い日向」、「弱い日向」、「日影」(暗くて冷たい色)の4種類に色分けし、加えて影を付ける。なお、日影の中には、床からの(ボーッとした)反射を描く
なお、眩しいところや暗いところは良く見えない筈なので、強い日向と日影は描き込んではいけなく、弱い日向は目に優しく見易い筈なので描き込む。
ハイライトの技法
ハイライトを描く技法として、果実・野菜編を視聴した限りでは次の3種類がある。
基本の固有色(e.g. 人参)
人参の場合、まず最初にシルエットを描いており、基本的な固有色として黄色を使って塗り潰していた。この塗り潰した色をハイライトとして利用する技法。ただ私には、描く対象物の基本的な固有色が何色になるかはピンとこず。
紙の色(e.g. ナス、ピーマン)
何も塗らずに紙の色をハイライトとして利用する技法。
参考までに、動画の解説では、ナスの皮はつやつやした光沢感があるので、その表現として、ハイライトを大きめにに取ると言っていたが、同時に減り張りを付けて光沢感を出すために紙の色の技法を使ったと思われる。
塗った絵の具の拭き取り(e.g. さつま芋、バナナ、ぶどう)
強い日向として塗ってあるところに対し、ハイライトにしたい箇所を少し水気取った筆で拭き取る技法。あるいは筆で濡らすだけで拭き取らず、代わりにティッシュで押さえ付けてハイライトを実現しているケースも有り、臨機応変に対応すれば良いのだろう。
参考までに、動画の解説では、さつま芋は鈍いハイライトと言うことでこの技法を使い、余り拭き取らないようにと言っていた。

この光による色分けをマスターしたことに対し、一言だけ述べておく。
しつこく自慢していると思われるのが心外であるが、前回の処女作の投稿で述べたとおり、中学時代の美術の成績に於いて最高峰の5を取ったことがある私は、中学の美術の授業で光の色分けを全く教えて貰えなく、光を意識せず描いていた。と言うことは、この技法を学んだことにより私の芸術的才能が、前回の幼児レベルから一気に最高峰の芸術センスを持つ中学生を凌駕するレベルまで開花してしまったと言える。絵をたしなむ方には常識的な技法なのかもしれないが、私には画伯の道への大きな一歩となった。

個々の作品

以下に、個々の作品についての自己評価等を述べる。

カットした西瓜
カットした西瓜

カットした西瓜には、赤い果肉、白い果肉及び緑の皮があり、それぞれの境目はグラデーションになる描き方であった。その実現方法として、予め水でフラット塗りしてから果肉の赤と皮の緑を塗ることにより、にじませる遣り方であった。望むグラデーションを出すための水分量の按配が難しい。私には相当練習を重ねないとマスターできないと感じた。

バナナ
バナナ

師匠曰く「通常鉛筆で形を取ってから色を塗っていくことが多いが、余り鉛筆に頼らないように。鉛筆で形をデッサンしてしまうと、絵の具はただその中を塗るようになりがちなので、バナナのようにシンプルな形は、いきなり筆でデッサンする勉強方法は有効である。」と。
なので、私も鉛筆を一切使わずいきなり絵の具で描いてみたが、一丁前にバナナの形になったので描くセンスがあるのでは(ちょっと自慢)。

とうもろこし
とうもろこし

ぎっしり詰まった実の様子が師匠のように上手く描けなかった。何度が部分的な修正を試みたが上手くいかず。時間があったらもう一度最初からチャレンジしてみたい。

桃

絵の具を購入する時、師匠推薦の24色を購入したが、動画では桃色を出すのに24色に入っていない「オペラ」を使用しており、仕方がないのでオレンジ色っぽい色で代用したため、世にも珍しいオレンジ色の桃になってしまった。

みかんと瓶
みかんと瓶

先述したとおり、私のレベルの低さが青い瓶に良く現れた。少しづつ何度も塗り重ねているため、瓶の光沢と言うか透明感が全くなく、師匠と比べるとその違いが良く分かる。
ただ、みかんそのものは、私の今のレベルとしては良く描けたと思っている。

光沢のある師匠の作品
光沢のあるみかんと瓶

りんごとレモン
りんごとレモン

りんごとレモン位置関係が可笑しくなった。構図は同じテーブルに置いてあるりんごとレモンであるが、完成してみるとりんごがレモンより少し高い位置にあるように見えてしまう。また、テーブルに敷いてある布は、描いていると布全体が紙に入りきらなくなると分かり、テーブルの端に向かうほど幅が狭くなって行った。個々の静物を描くのに精一杯で、各静物の位置関係に対する注意が欠けていた。

キウイフルーツ
キウイフルーツ(1個と半分)

キウイの皮の質感は私の絵画だけ見ているとそんなもんかなと思うが、師匠と比べると皮の複雑な表現に相当な違いがある。師匠はペインティングナイフで傷つけるように絵の具を剥がしていたが、私は持っていないので割り箸の角で代用してみたが、上手く剥がれなかった。皮の表現の違いは絵の具の剥がす箇所だけの問題でないが、剥がす部分に関しては、道具の問題でなく、私の場合塗った絵の具が乾き過ぎていたのかもしれない。

ぶどう
ぶどう(巨峰)

師匠は鉛筆でアウトラインを書き入れずに直接絵の具で描いていたが、この複雑な形のぶどうをいきなり絵の具で描く自信がなかったので、鉛筆でアウトラインを書いてから描いた。師匠のような質感で描けていなく、また日向の明るさをもっと出したかったが上手くいかなかった。しかし、描く前は非常に難しい静物と思ったが、描いてみるとそれなりにちゃんとしたぶどうに見えるので良しとする。

ナス
なす

師匠曰く。「実物のナスの色は、黒っぽい。そのままの色で描こうとすると、暗い色になり立体感の表現が難しくなるので、日向の部分を実物より明るめにし、日向の部分の実物の色で描けば良い」とのこと。もし私が手本の動画無しにナスを描くならば、実物の色に合わせ黒っぽいナスを描くことしか考え付かないと思う。絵画的に描く観点から見れば、実際の色に忠実に従う必要がないと言うことだろう。
また、動画では、ナスの強い日向の色でナス全体を塗った後に、乾かない内に弱い日向の色を重ねて塗ることにより、強い日向と弱い日向の境界が自然に滲むことによりでグラデーションを実現していた。私も同様なことを試みたが、強い日向色を塗ってもすぐに乾いたため、滲むことなくはっきりした境界になってしまった。しかたがないので、境界の弱い日向部分に強い日向色で塗り直しながら、境界の弱い日向部分の色を少し取り除くことにより、多少グラデーションぼくなった。
すぐ乾く原因として、ナスを描いた時に限らず、私の場合、筆に付ける絵の具の量が師匠よりだいぶ少ないのかもしれないと思い始めている。筆にたっぷり絵の具を付けて描くのは技術的に難しいと感じでいるが、今後筆に付ける絵の具の量を増やしてみようと思っている。
あるいは、「カットした西瓜」の時に習った、事前に水でフラット塗りしてから描く方法も有りかなと思う。
なお、ナス自体には多少の光沢感が出ているので、満足している。

2020年7月9日から2021年1月2日までに手掛けた16枚の大作を制作順に惜しげもなく展示する。冒頭のアイキャッチ画像のような超一流美術館に出向かなければ決して拝むことができないトレビアンな作品の数々を、この場で拝むことができるあなたは何とラッキーなことか。