石川県の人口及び増減率の推移を表したグラフ

5年毎に国勢調査が行われているが、先日発表された石川県の2015年人口の速報値をみると、5年前の調査に比べ15,000人強の大幅減少になった。
過去最高の減少であり、これまで5年間で10,000人を超える減少があったのは、戦前の1回のみである。珠洲市の人口は15,000人弱なので、珠洲市の住民が消滅したことになるから凄い。

人口変動の傾向としては、金沢市とその周辺の人口が増え、金沢市から離れる程減少率が増えている。特に奥能登(石川県の北側)の人口減少は深刻で、石川県最北端の珠洲市の減少率が10.24%と最大で、その他減少率が8%を超えているのは全て奥能登(能都町、穴水町、輪島市、志賀町)である。
私が住んでいる小松市は、金沢市の南側に位置し、前回に比べ1,493人減少し人口106,940人となり、減少率1.38%であった。また、小松市の南側に隣接し石川県の最南端の加賀市は、前回に比べ4,652人減少(石川県内で最も多い減少数)し人口67,235人となり、減少率6.47%であり、こちらも深刻である。

2015年に放送された連続テレビ小説「まれ」の舞台になったのが輪島市(奥能登)である。小説では輪島市役所に勤め、能登への移住定住促進を仕事としたが、現実は厳しいようである。奥能登への観光客は増えたが、移住定住となるとハードルが高いのだろう。また、金沢市を中心に北陸新幹線でにぎわいを見せた2015年であるが、こちらも観光客が増えたものの移住・定住者が大幅に増えるなど考え難い。ただ、能登と違い企業誘致は期待できる。

出生率を上げ、移住定住者を増やすには、特効薬はなく、各自治体が地道に子育て支援(出産祝い、保育園の整備、保育料軽減、医療費支援等)を充実させ、魅力ある町にして行くしかないのだろう。